すかっとした、龍馬伝。

水戸黄門のように
弱いものが公平なルールのもとに
強いものに勝ってしまう。
中尾彬のしわと毛穴がよかった。
世の中が変わってしまう悔しさというか苛立ちが
しわと毛穴からにじみ出ていた。


私たちはいつまでたっても
弱いものが強いものに勝つという瞬間に
爽快感を感じる。
人生は爽快感を感じるためだけのものではない。
本当は中尾彬のしわと毛穴から出てきた感情が
人生の深みなのかもしれない。


そういう黒が白、白が黒と変わる瞬間を追い求めるだけでは
本当はいけないのではないか。
黒と白が混ざり合ってしまうことを耐えること
本当はこの瞬間が大事で肝要なのではないか。


仕事がしんどい。逃げ出したい。
現実の厳しさなんか知りたくもない。
誰かが作ってくれた土俵の上で
相撲をとっているだけでいいのに。
相撲をとってるだけで
相撲の全てをわかった気分でいられたらいいのに。