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最終回で
残念なことしきり。
鬼平と違うのは盗人の立場で
話をすすめており、
火付盗賊長官安倍式部の心の中は
ほとんどわからないまま
話がすすんでいくのですが
結局、あまりはっきりと描かれないのですが。
だからこそ大人のドラマになったと思います。
世の中って正義を振るう人が
本当に正しいのか、「いい人」なのか
決められないし、
正しいことを話していると言われている人が
本当に正しい中身を話しているのかわからない。
それを年齢を重ねていくうちに
よくわかるようになったし
そういう毎日の中で
小さな幸を大事にしていかねばとも思うのだし。
勧善懲悪でなかった終わり方が
とても心に響いた素晴らしいドラマと思いました。
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よくよく考えると三谷幸喜のドラマを
テレビで見るのは久しぶりな気がする。
否々地上波テレビが久しぶりなだけですね。
来年は大河ドラマがあるから
いっぱ〜い見られるんですけど。
特急東洋での殺人事件。
アガサクリスティのものはいろいろ見てるのですが
オリエント急行殺人事件を見た記憶がない。
見たことあるのかなぁ。
結末はすぐにわかりそうな感じですが
まさかまさかと見入ってしまいますし。
あとからまた見直してみたら
登場人物の表情に深い気持ちが面白いように見られます。
でもやっぱり登場人物の背景の表現には感動しました。
ちょっと涙したくらい。
第二夜はもっと涙するのでしょう。
こういうテレビドラマはやっぱり面白いなぁ。
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私自身は「坂の上の雲」の時代とその主人公たちの
生き方や考え方に共感できてるわけではないのですが
でも、このドラマはどうしても見入ってしまいます。
私の祖父母が生まれたであろう時代の人たちの考え方や
生き方、貫き方が今とはやっぱりひどく掛け離れていて
そのことに驚いたり、反発したり、嫌悪したり。
でも染色体レベルで魅かれてしまうのです。
社会の変化が落とす人への変化、
特にこの時代は未来への楽観的な展望がとても顕著で
今の私には少しアクの強い内容ではあるのです。
しかし、一生懸命、極端に言えば死に向かって生きることを
ただ単純に表現しているドラマだと考えています。
余分な修飾は不要。
生きることは特に難しく考えることはない
ただひたすら懸命であれという気持ちにさせます。
今週、来週と「子規死す」。
子規の聖人のような幼さと生へのひたすらな執着。
さらに律さんの献身さは本当に胸がいたみます。
人間は結局ちっぽけだけど、生ききることの素晴らしさに胸を打ちます。